薬ができるまで

新薬ができるまでには、膨大な研究時間を要し、膨大な検査項目をクリアーする必要があります。開発の方法は薬によって様々ですが、多くの研究者がそれぞれの役割を持ち、チームワークを組んで活動します。ここではよく行われる手法を例に、薬ができるまでを紹介します。

下記の4つの工程が一般的です。

薬の種の探索の流れ
薬の種の探索の流れ

 

①探す『薬の種(新薬候補物質)』の探索 2~3年

まず、病気の原因となる病因を明確にします。病因に有効に作用する標的化合物を想定し、この標的化合物を新薬のゴールと考えます。多くの製薬メーカーでは、化合物ライブラリーと呼ばれる数百万の化合物の標本を知識データベースとして持っており、そこから標的化合物に実現できそうな化合物を選び出します。これを『薬の種』と呼びます。ある程度の『薬の種』を選び出したら、様々な分野の専門家による試験が行われ、修正が繰り返されます。コンビナトリアルケミストリーなどの化学変換も行われ、標的化合物へ近付けていきます。その際、標的化合物の探索スクリーニングの手法や物質・機能に関する特許を出願していき、知識財産化も行います。

非臨床試験の流れ
非臨床試験の流れ

②-1 調べる(非臨床試験)3~5年

次は、可能な限り標的化合物に近付けた『薬の種』を色々な角度から調べます。「調べる」とは、いきなり、治験(治療臨床試験として人間に投与する事)をするのではなく、動物に投与したり、動物細胞の反応を確認する事をいいます。また、水への溶解性や分解性を調べます。実験動物が死に至る投与量やその期間を統計的に調べ、『薬の種』の動物生体への影響や効果、安全性を調べます。実験結果を徹底的に調べる事で人間の体への影響を予測します。

治療臨床試験の流れ
治療臨床試験の流れ

②-2 調べる(治療臨床試験 … 治験3~7年

非臨床試験の結果から人間への安全性と有効性が予測できる段階に至った『薬の種』には、治験(治療臨床試験)が行われます。この頃の『薬の種』を『治験薬』と呼び、治験薬には、厚生労働省が定める下記の3つの厳しい試験が行われます。それぞれに合格した治験薬だけが新薬の承認申請対象となれます。

  • 第1相試験:
    少数の健康なボランティア志望者により、健常な体への安全性と有効服用量を調べる試験

  • 第2相試験:
    少数の患者さんを対象に効果や副作用、長期間の使用における使用可、不可を調べる試験

  • 第3相試験:
    多数の患者さんを対象に最終的な効果や安全性を確認する試験

 

承認/審査の流れ
承認/審査の流れ

③ 承認申請/審査

治験により安全性・有効性が認められた治験薬を新薬として製造販売する為には、厚生労働省から承認を受ける必要があります。開発した製薬企業から承認申請を受けた厚生労働省は、独立行政法人のPMDA(医薬品・医療機器総合機構)へ審査を依頼します。PMDAでは、医学、薬学、生物統計学などの専門家により審査が行われ、更に臨床家などの専門委員の意見を踏まえて審査報告書が作成されます。審査報告書は、薬事・食品衛生審議会(厚生労働大臣の諮問機関)に諮られ、新薬として問題がなければ、厚生労働大臣から製造販売承認を受ける事が出来ます。

くすりが出来るまで
dev_apprv_drg.pdf
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お知らせ

EBM総合研究所は、EBMデータを製薬メーカー様へご提供する予定です。全ての臨床情報を有用な新薬開発の為に、、、