“①”で選出した『薬の種』を標的化合物に近付け、人体へ直接投与が出来る様にするには、より多くの試験を行い、繰り返し改良を重ねる必要があります。この段階を“非臨床試験(臨床前試験)”と呼び、薬効薬理、安全性、物性、薬物動態などの試験を行う必要があります。これにより、新薬候補物質(薬の種)にどの様な副作用があるのか、なぜ起こるのか、を明確にします。
薬効薬理試験とは、選出した薬の種の効果を確認する試験です。結果により修正をする必要があれば修正し、より有効でより安全な薬の種にしていきます。創出する薬剤により試験手法が異なる為、ガイドラインは存在しませんが、生化学、薬効・薬理、代謝、安全性など、あらゆる観点から薬の種を最適化していきます。またどのような試験により効果が確認出来るかなど、用法や用量も同時に記録していきます。環境や条件を変え、ありとあらゆる可能性を考えて研究を行っていきます。
人体へ使用する際の安全性を保障する為、問題や副作用を確認します。毒性や発がん性などの有害作用はもとより、生殖器や生理機能、細胞、染色体、DNAなどへの影響を徹底的に調べます。
物性試験では、新薬が最も効果を発揮する剤形や用量を調査します。新薬は、体の中で水にも脂にも溶ける必要があります。より多く溶ければ、より多く吸収され、より効果の高い新薬となるからです。溶解性、吸収性、代謝性、安定性など、剤形による影響を調査し、最適な剤形を検証します。