EBMとは?

EBMとは『 Evidence-Based Medicine 』の略で「科学的根拠に基づく医療」という意味です。

実際には、下記の5つのステップで行われる医療の事です。

 

 ① 患者の問題を定式化

 ② 問題を解決できる情報の収集

 ③ 収集した情報の妥当性を批判的に吟味

 ④ 情報の患者への適用方法を考える

 ⑤ “①-④” のステップが適切であったのかの評価

上記のステップは、当り前の医療行為に思えますが、実際の医療現場では、個々の医師の
「経験に基づく医療(Experience-based Medicine)」が主流となり、過去の臨床データに
基いた、最良の治療法、治療薬、予防法の選択がなされない現実があります。

EBMの現状と問題点

EBM(Evidence Based Medicine)での問題解決法は、今や日本でも教育、研究の場に定着しています。

しかし、肝心の臨床現場では、普及していないのが現実です。

下記に日本にEBMが浸透しにくい3つの要因を纏めました。

  • 患者側の要因
  • 医療者側の要因
  • 環境の要因

患者側の要因

まず、EBM に対しての理解と認識不足があります。自分の診療に対して受け身な場合が多く、医療者の選択に従順である事が挙げられます。また “エビデンス(診療根拠)” に重要な治験に協力的でない傾向があります。「治験=人体実験」という考え方が根強く、背景に患者や一般市民に対する治験の情報提供不足があります。

医療者側の要因

医療者にも EBM に対する理解と認識不足があります。医療者の絶対数不足や診療科毎の偏在の中で、多くの医療者が厳しい労働環境に置かれています。能動的に学習するにはプライオリティーが低く「 EBM は、個々の医師の経験や知識を否定するもの」とか「 EBM ガイドラインは、データ至上主義により医療を画一化するもの」などの誤解もあります。しかし、実際の EBM は、その時入手できる最も信頼性の高い根拠をもって、患者の症状と価値観に即した医療判断を行う事を目的としています。「患者の問題を知る」、「患者に最適な診療根拠を選ぶ」という過程には、正しい問診や最適な情報の適用など専門家の経験や知識が不可欠です。
RCT(Randomized Controlled Trial =ランダム化比較試験)にも矛盾は存在し、同じ診療根拠を用いても作る側の立場によって異なる結論が出る場合があります。EBM ガイドラインは、マニュアルではなくメニューとして捉えるモノです。勘違いし易い事柄を理解する為には、数字に惑わされない為の正しい統計知識や判断を誤らない能力が求められるのです。

環境の要因

  • 多数の症例エントリーが可能な病院が少ない
  • 社会的体制や医療保険制度がない
  • 社会のコンセンサスが不足している
  • 利用されるエビデンスに重要な治験に対し日本人は過度のアレルギーがある
  • 医療者側に時間的余裕がない
  • 大規模臨床試験が日本では困難


また、国内のデータ自体が少ない現状があります。雑誌からハンドサーチという手作業でRCT論文を抽出する作業は精密さを要求され、時間と労力を費やします。 人材が少ない事、構造化抄録の普及が遅れている事、手間がかかる事も要因となっています。加えて、臨床疫学専門医やリサーチナース、コーディ ネーターが不足しています。

弊社の取り組み

EBMの現状と問題点を踏まえ、EBM総合研究所では、下記の取り組みによりEBMの普及に取り組んでいます。

  • 治験の正確な情報提供により、社会への理解を広めます
  • 治験情報共有サイトの普及により、治験の迅速化、効率化を図ります
  • ITを利用し、全国の医療機関に眠る臨床データを有効活用します

お知らせ

EBM総合研究所は、EBMデータを製薬メーカー様へご提供する予定です。全ての臨床情報を有用な新薬開発の為に、、、